2006年5月アーカイブ

今年のひまわりは、昨年の反省を踏まえて、ミニヒマワリです。小さいのを鉢いっぱい咲かすのが目標です。
計画的に配置した種は、ほぼ全て芽を出しました。双葉の間からは、早くも次の葉が見えています。

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種をまいて、たったの1度しか見せない表情です。ほんの一瞬です。早ければ明日には、この双葉の間から、次の葉が登場してしまいます。
人は自分の子どもの成長を見るときにも、こんなわくわくするような、ちょっと寂しいような思いを抱くのでしょうか。
しばらくこのままでいてくれたらいいのにな。

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その前
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その後

今年もやってまいりました。梅雨入り目前で、ひまわりの季節のはじまりです。種をまき、土を1センチほどかぶせ、毎朝水をやって1週間。ついに芽が出てきました。この瞬間がたまりません。花は咲かなくてもいいくらいです。

種子には発芽を抑制する休眠物質、アブシジン酸が含まれています。こいつを減らし、休眠打破物質であるジベレリン酸を増やせば、発芽すると言われています。
ちゃんと水をやり、適切な温度に保ち、酸素があればよいのです。日照不足も発芽までは関係なし。強い。

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2006年のひまわり

昨年の12月6日。初台のICCのイベント「ic uc wc」で、1時間ノイズを聞き続けるという体験をしました。
Carsten Nicolai(aka. alva noto)、坂本龍一をはじめ5人のメンバーがPCの前に座り、ただ黙々と作業をするというライブです。ライブと表現するのもどうかと思うような様子です。
机があって、パソコンが5台ある。そこに人があらわれ作業がはじまるわけですから、音がなければ、なんかの技術会議でもやっているような風景にしか見えません。いや、一言もしゃべらないのですから、会議として見ても異様です。この日、坂本龍一という名前だけ聞いて、あの美しいピアノを想像してきた人には、さぞかしショックなイベントだったと思います。

5人が同期を取りつつ、即興演奏(?)の大音量ノイズと、いくつかの音が嵐のように吹き荒れる中、何らかのパターンを見出し、そのリズムに自分の感覚をのせていきます。僕はそんな聞きかたをしていたと思います。
ある種の音楽と聞こえないこともないのですが、混沌の中に、救われるようなメロディーは決して出てきません。前にも後にも一切解説はないし、彼らは何も言わず来て、何も言わず去るのです。そこに美しさを感じました。
ずっと聞いていると、ノイズには自分の好きなパターンと、聞くというよりも耐えると表現すべき嫌いなパターンがあるということがはっきり分かりました。

ライブが終わるとめちゃくちゃ疲れていました。会場のCD販売コーナーに立ち寄ると、なんとも美しいジャケットが飛び込んできました。またやってしまいました。ジャケ買いです。疲れていたのでしょう。こんな表現をするとファンから怒られるかもしれませんが、その時は、いわゆる、わけの分からないノイズ音楽でも買ってみるかという気持ちだったのです。
帰ってよく見ると、alva noto + ryuichi sakamotoと書いてありました。2人の演奏のようです。しかし、この「insen」というアルバムには、僕の期待を裏切って、驚くほど安らぐようなピアノの音と若干のノイズが収録されていました。こういう音楽をアンビエントというのでしょうか。

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僕は、ファミコンの、ドラムをまねたようなノイズを聞いて育っているわけで、ある程度のノイズはかえって心地よい音に聞こえる耳ができているのかもしれません。まっさらなピアノ音楽より、ちょっとノイズが入っていたほうが美しいなと思うこともあります。重要なのは、その「ちょっと」の加減でしょうか。

このアルバムに収められている音楽は、極端に低い音と、極端に高い音、ノイズ、それにピアノの音で構成されています。ピアノとコンピュータのデュオという表現が適切です。パソコンに接続しているようなスピーカーでは聞こえにくい音がたくさん混じっています。

聞き慣れたピアノの音の手前側に、聞き慣れない刺激的な電子音が定期的に聞こえるわけです。リラックスしつつも、どこか緊張感が持続する。そういう感じがして心地よいのです。

海外から取り寄せていた、同じalva noto + ryuichi sakamotoのアルバム「vrioon」も、先日届きました。が、やはり「insen」のほうが僕は好きです。「ちょっと」の加減が僕にとってちょうどいいのです。Carsten Nicolai(aka. alva noto)という名の、このドイツの音楽家(であり美術家でもあるらしい)の作り出す音は、僕の心地よいと思う波長にぴったりくるようです。

今月末には新しいアルバム「revep」がリリースされます。楽しみです。

れんげはマメ科の植物であるということは分かってても、一体どこがマメ科なんだよ、と思っていました。
ところが今朝見たら、咲き終わった花の先のところに、本当に豆ができているではありませんか。

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できたてのマメ(小さい)
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一体いつまで咲き続けるつもりなのか不明なれんげ

春は焼きそばがうまい。キャベツがうまい。

春キャベツは新キャベツともいわれますが、春先から6月頃まで店頭で見かけるもので、冬のキャベツと比べて大きさは半分以下、巻き方もゆるくて、葉は中まで緑色をしているのが特徴だそうです。

やわらかくて、みずみずしい。手でバリバリ裂くと気持ちいいです。アンチョビとスパゲッティに絡めているのをよく見かけますが、あれもうまいですね。

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キャベツはアブラナ科

もはや満開となったうちのベランダ。7階という高さにもめげず、みつばちが何匹かやってきました。

蜜集め担当である働き蜂が、1回に腹に収められる量はおよそ0.02グラム。これを巣にもって帰り、口移しで、いわゆる内勤の蜂に蜜を渡します。体内に取り込まれたときには、ただのショ糖だけれども、消化酵素が加わることによってブドウ糖と果糖に転化されます。

その後、巣の中で貯蔵され、羽ばたきによって蜜の水分が蒸発し、水分が20%ほどになって濃縮が進むと、やがて内勤の蜂が腹部からロウを出してフタをしてしまうらしいのです。なんと複雑なことを巣の中でやっているのでしょう。

それにしても「れんげはちみつ」に、他の花の蜜が混じらないのはどうしてでしょうか。彼らは、一旦れんげを見つけると、蜂同士の高度な連絡網によって、れんげ畑に向かって、何万匹も集中的に送り込むということです。
全然知りませんでした。

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れんげ
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イングリッシュデイジー

テイラー・アイグスティというピアニストだ。
コンコード・レーベルに移籍して最初のアルバム、「lucky to be me」を聞いたら、久しぶりに車が欲しくなった。福岡にいたころのように、スマート・カブリオに乗って、海沿いの道をゆっくり走りたい。

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有楽町にいって、東京駅に向かっていたらHMVがあって、ふらっと入ったところで、このCDを発見した。試聴機にあったので、3曲目の「love for sale」を聞いて、2分後にはレジにいた。

2曲目の「get your hopes up」は、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスという構成で、南国の夕暮れにはぴったりだ。沖縄の夕暮れをドライブするときにぜひかけたい1曲。流れるようなピアノがあまりに美しい。5分間という時間があっという間に過ぎてゆく。

3曲目は、スタンダード「love for sale」だ。出だしがかっこよすぎる。そう来たか!
ドラムをたたいているのはLewis Nash。爽快なリズムに、Christian McBrideのベースが歌う。こんなにも聞きなれた曲が、こうも新鮮に聞こえるのか。
福岡から唐津に向かう国道202号線で聞きたい。首都高湾岸線でもいいかもしれんけど、東京はよく知らない。

4曲目「i've seen it all」は、何の曲かと思ってきたら、ビョークが映画ダンサー・イン・ザ・ダークで、列車の上で歌っていたあの曲だ。休日の午後に聞くと、心に染み入る。

7曲目「woke up this morning」は、ホーンアンサンブルが入る、普段僕があまり聞かないタイプのジャズだ。中盤からのアイグスティのソロには驚かされる。自由で、心が弾いている。つい首が揺れる。

8曲目「promenade」は、開始43秒あたりのベースで気づく。なんとクラシックの名曲、ムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」の曲だ。これをジャズで演奏してしまおうというのだから凄い。僕はこのアレンジ、かなり好きだ。

ジャズは高校生の頃から聴いているので、その頃悩んでいたこととか、辛かったこと、楽しかったことをすぐに思い出す。住んでいた家だとか、付き合っていた女の子とか、よく行っていた店とか、よく通っていた道とか。それはもう、何も考えなくても頭に情景が浮かんできて、どうしてもかき消すことができない。

果たしてこのアルバムの曲にはどんな情景が結びつくのか。それは1年くらい経ってみないとわからない。

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