2006年4月アーカイブ

風の力には勝てん。

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れんげは漢字で蓮華と書きます。花の姿が蓮(はす)のそれに似ているというところから来ているようです。
蓮の華は、泥、つまり煩悩の中から咲いた、「さとり」を示すとも言われます。
「なんみょうほうれんげきょう」の蓮華経(れんげきょう)は、ここから来ているのですね。

という雑学はおいといて。さて、江戸時代、播磨の国の俳人、滝野瓢水の句には、こうあります。
「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」
知人が遊女を身請けしようとした際に、それをいさめて詠んだそうです。
れんげは野に咲いているときこそ美しい。それを摘み取って家に飾り置けば、美しさは失われてしまう。あるがままで美しいものは、そこにそのままにしておくべきだ、という意味でしょう。

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れんげ
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れんげとイングリッシュデイジー

そういえば大人になってからはすっかり見かけませんが、これには理由がありました。
れんげの根にいる根粒バクテリアには、空気中の窒素を地中に固定する働きがあり、稲にとっていい肥料になるらしいのです。つまりわざわざれんげを毎年植えておいて、花が終わったらそのまま鋤きこんでいたというわけですか。
現在では、化学肥料のおかげで、田植えの前のれんげ畑を見ることもないということです。ちょっと残念。

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れんげ=豆科 枝豆と同じ仲間
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イングリッシュデイジー=キク科 カミツレ(カモミール)と同じ仲間

東京は暖かい一日。風が吹くたびに倒れていたれんげもついに咲きました。
でも、僕が小さい頃、畑一面に咲いていたれんげの記憶と全然違います。記憶ってあてにならないなと思います。
当時、友達が編んで首飾りを作っていたような気がしますが、せっかく咲いた花をへし折るなんてとんでもない!

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宇宙は初め、超高温で超高密度の火の玉のようなところでした。ビッグバンによって凄い勢いで膨張をはじめます。宇宙は現在も膨張を続けています。

さて、僕らの宇宙はこの先どうなるのでしょうか。膨張しているもののストーリーとして考えられるのは、このまま膨張が続くか、途中で止まって収縮するかです。この運命は、どれだけ宇宙に物質があるかにかかっています。

物と物は重力で引き合います。膨張にブレーキをかけるだけの物質が宇宙にあれば、いつか重力が打ち勝って膨張が止まり、その後、ものすごい勢いの収縮(ビッグクランチ)がはじまって、最後は1点に戻るでしょう。

もしそんなに物質がなければ、膨張は永遠に続きます。まわりの銀河があまりに遠ざかってしまうので、夜空は閑散となり、やがて真っ暗になります。僕らの銀河系もガスとブラックホールが残され、やがてそれも蒸発してしまうでしょう。

それにしても、宇宙の果てはどこなんでしょう。見えてるすべての銀河までの距離を測って、一番遠いところが宇宙の果てなのでしょうか。でも、銀河が光の速さより速く遠ざかっていたら、その銀河の光が僕らに届くことはないので、宇宙の地平線は見えても、その先はわからないのかもしれません。

一方、近くの銀河と、遠くの銀河の遠ざかる勢いを比較して、宇宙の膨張の勢いを調べようとする学者があらわれました。しかしそれは、光の強さが一定で、とてつもなく明るい星をいくつも見つけなければならないことから、到底無理じゃないかと言われてきました。しかし地道に観測を積み重ね、それをやってのけた人が現れました。

僕らの宇宙の膨張にはブレーキがかかっていると誰もが考えていましたが、この観測によって、宇宙の膨張は逆にどんどん加速しているという、衝撃的なことが分かりました。
加速させるほどのエネルギーは一体どこにあるというのでしょう。学者は真空中にあるといっています。真空は何もないところと学校で習いましたが、実はそうではなかったようです。

というわけで今、僕らの宇宙の年齢は、130億歳くらいといわれています。
今この瞬間にも、もの凄い勢いで膨張が加速しています。あと10億年もすると、真っ暗になってしまうかもしれません。大変です。

この広大な僕らの宇宙、さらには僕らの宇宙じゃない宇宙は、部分の説明をなんとか理解できたとしても、全体としては想像できる範囲をはるかに超えています。
その中の僕という存在のあまりに小さいこと。自分の立ち位置を探りながら仕事をし、形而上的思考に明け暮れながら、人と近づいたり離れたりしている切なさ。

しかし、空虚に思えても、まだ隣の銀河は近いのです。
今夜も夜空に見える宇宙は美しい、のかな。

ファイナル・ファンタジーの新作をやっている人も多いと思いますが、うちの会社のスタッフの一人は、30時間のプレイデータを消してしまったといって泣いていました。

そんな中、僕はファミコン版のドラクエ3の奥深さに驚きました。

最後の敵、ゾーマの前に、主人公の父オルテガがキングヒドラと戦うシーンがあります。
オルテガはその昔、ネクロゴンドの火山で魔物と戦って相打ちとなり、その火口に落ちたとされていたけれど、実は生きていて、ゾーマを倒すべくはるばる向かってきたのでした。
そんな勇者でもある父の姿は、なぜかパンツ一丁で覆面姿。ガキの僕にはショックな出来事でした。

キングヒドラの最大HPは550ですが、1ターンごとにHPが100近く回復するので、いくら勇者オルテガといえども絶対に勝てません。それなのに彼は、効かないラリホーを唱え、キングヒドラの2回攻撃を受けてしまいます。
父の無謀な戦いを見ているだけの息子。ゾーマと戦うくらいの力を持っているのにですよ。見てないで助けろよ、と当時僕は叫んだはずです。泣けてきます。
オルテガは、回復魔法ベホマも使えますが、キングヒドラの圧倒的な強さの前に、やがて力尽きます。ゾーマを目前にしてキングヒドラに敗れる我が父を見る、という悲しい展開です。普通なら。

しかし、ファミコンのカセットのコードを解析したある人が、オルテガが勝つ場合のセリフが用意されていることを発見しました。

*「かつには かったが
  どうやら さいごの ちからを
  つかいはたしたらしい・・・・・・。

びっくりしました。オルテガが勝つ場合に、プログラムは備えていたわけです。
しかし、父の死を見てからしか前に進めないという現実は変わりません。

当初はキングヒドラの仕様が違っていて、オルテガがキングヒドラを倒してしまう場合が本当にあったのかもしれません。あるいは今でも、1兆回やると1回くらい勝ってしまう場合があるというのでしょうか。
真相はわかりませんが、大人になった僕をここまで楽しませてくれるとは、粋です。

いやーすっかり秋ですね。うちのコスモスも咲きましたよ。
きれいな色ですね。ラジアンスという品種ですかね。
あれ、何か言いたそうですね。何か?

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いやー、見事に咲きました。みなさまにようやく春の訪れをお知らせすることができて喜ばしく思います。今はまだ一輪だけですが、このまま鉢いっぱいに咲いて、僕を圧倒してほしいと思います。ところでれんげは?

先生、今回は土がよかったと思います。

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イングリッシュデイジー

なんと、ついに咲きそうです。
葉は鉢からあふれんばかり茂っているのに、どうも花らしきものが1つしか見つかりません。他はどうしたんでしょう。
それにしてもこの形、7歳の頃の記憶と違うので混乱しています。こんなんだっけ?
ひょっとして僕は、平行宇宙で何か見てしまったのでしょうか。

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れんげ
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イングリッシュデイジー

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