その植物について

福岡県八女郡矢部村に住む、おじさんのところに行ってきました。福岡県で最も人口が少ない自治体です。かつての村は今はダムの底にあって、急激に過疎化が進んでいます。福岡市から車で2時間かかります。おじさんは植物園を営んでいて、この時期は遠くから来るお客さんも多いようです。
標高400mくらいのところにあり、雨も降っていたのでさすがにひんやりしていました。ちょうどしゃくなげ、つつじが見ごろを迎えていて、山一面がしゃくなげのピンクや、つつじの赤で染まっていました。珍しい植物が数え切れないほど育てられていて、僕には刺激が強すぎます。
なんでも、これからホームページを作って、珍しい植物を扱っていることをアピールしたいとか。ここはまだインターネットとは無縁のところなので、まずは光ファイバーでもひいてこなくてはいけません。前途多難です。

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つくししゃくなげ(ツツジ科)

ベランダに次々と咲く花の名前すら分からない状況におかれているわけですが、外に行けば行ったでさらに謎だらけで、数メートルおきに野草の前で立ち止まっては観察してしまうくらいです。そんな中、どうしたものか、同じ植物が山のように生えている場所があります。高さ1cm~3cmくらいの小さな植物です。多肉植物でしょうか。これがびっしり地面を埋め尽くしています。これをマクロ撮影すると、なかなか楽しい絵が撮れました。
このあたりで見ることができます。

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謎の植物群生

ここ何年か、植物観察に異常に目覚めている僕ですが、千葉県習志野市にある谷津(やつ)バラ園に行きました。京成電鉄谷津駅で降りて、5分くらい歩いたところにあります。すぐ裏手には、渡り鳥の中継地、谷津干潟も広がっています。
バラ園というだけあって、見渡す限りのバラです。よくまぁこれだけのバラを集めたものです。赤いバラだけ集めてみたり、青いバラだけ集めてみたりと、趣向を凝らしていて楽しめます。中でも面白いのが、香りのするバラだけ集めたコーナー。フルーティな香り、スパイシーな香りと、鼻がおかしくなるくらいいろいろな香りが楽しめます。入園料も300円なのでおすすめです。僕が行ったときはまだ咲いていないものもあったので、6月中旬くらいまでは楽しめるのではないかと思います。僕はかなり満足しました。
ただ、バラのアイスクリームは微妙だと思います。

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まさにこれぞバラという感じのバラ
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谷津バラ園

東京には、江戸時代からの名所、堀切菖蒲園があります。安藤広重が絵に描いているといいますから、かなり歴史あるところなのでしょう。200種もあるという花菖蒲は、どれも日本的な味わいのある色合いで見ごたえがあります。すぐ隣にマンションがあったりするのが東京らしいところです。

ところで、この「花菖蒲」(アヤメ科)は、野生の野花菖蒲(のはなしょうぶ)を改良して作られたもので、菖蒲湯で有名なあの「菖蒲」(サトイモ科)とは別物ということです。同じかと思っていました。

どちらも優れていて選択に迷う、という意味で「いずれが あやめか かきつばた」ということわざがありますが、花菖蒲、アヤメ、カキツバタの3つは見分けがつきにくいです。ポイントは花の根元(弁元)で、網目模様があればアヤメ、網目じゃなくて黄色なら花菖蒲、白色ならカキツバタです。試験に出ますよ!

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花菖蒲(アヤメ科)

なんだか仙人のひげのようなものが大量にぶらさがっている木がありました。触ると葉が閉じそうな気配があるので、おじぎ草か?と思って触ってみる人もいると思いますが、これは閉じません。
おじぎ草は1年草なので、木じゃなくて、低い所に生えている草です。冬には枯れます。

はてこの植物はなんだろうとずっと気になって、なかなか6月9日からブログが進みませんでしたが、ついにオカムラ氏によって解明されました。「ねむの木」でした。白いひげに見えたのは、花が咲いた後の状態でした。
ねむの木も、おじぎ草も、夜になると葉を閉じますが、葉の付け根にある「葉枕」という部分の細胞の膨圧が、夜と昼で変化するために起こる運動だそうです。「睡眠運動」と呼ぶそうです。ちゃんと寝てるんですねー。

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ねむの木(マメ科)

謎の植物群生」と片づけてしまったものですが、その後の調査でセダム属の植物らしいということがわかりました。
天気が良いので豊洲からお台場まで歩いていってみたのですが、あまりに晴れすぎていて、途中で倒れそうになりました。前回は緑一面だったところに星型の黄色い花が咲いています。しかもすごい勢いで咲いています。台場のこんな風の強いところにあって、花まで咲かせるほどの生命力。いったい何者なんでしょうか。

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セダム属の何か

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