2005年6月アーカイブ

スターウォーズ6作品連続上映の続きの話。
友人たちは、体力的に不安があるとかで、残念ながら乗ってくれませんでした。まぁ冷静に考えてそれが賢明と思います。社会人として。

しかし、なんて駄目な購入システムでしょう。

張り切ってチケット購入に望みました。
この映画館のチケット購入手順はこうです。
1. 規約に同意する
2. だいたいの座席位置をブロック単位で指定する
3. 席の仮確保が行われる(10分間の制限付き)
4. 氏名、電話番号、メールアドレスの入力
5. クレジットカード情報の入力
6. メールが送られてくる

0時0分。まぁかなりサーバーの応答は遅かったのですが、席の仮確保には成功しました。席の列と番号が表示され、仮確保しているという安心感は評価できるでしょう。
しかしブロックを指定した後、突然具体的な座席が選ばれてしまうため、座席指定がもどかしい。ど真ん中がいいという人もいるだろうし、端っこがいいという人もいるだろうし、その辺にもう1つ気配りがほしいところ。

名前も電話番号も入れて、次の画面。クレジットカード情報を入力する。そもそもカードの有効期限って多くのサイトでは、month/yearの順番で入力フィールドがならんでいるはずなんですが、このサイトではなぜかyear/monthの順。気配りが足らないことが分かります。

カード情報を正しく入力し、送信ボタンを押すと、かなり間があってから次のメッセージが表示されました。
「恐れ入りますが、現在、この映画館のご購入はできません。」
なぬ。

クレジットカード情報を送信したあとのエラーは正直言ってきつい。買えたのか、買えなかったのかわからない。請求だけ成功してチケットは買えてない、ということは十分ありえる話です。

その後もう一度別の座席を仮確保して挑戦してみました。
「恐れ入りますが、現在ご利用になれません。しばらく後にご利用ください。」

この時点で僕が払ったかもしれない金額は合計18,000円。結構洒落にならない状態です。
通信は途中で切れるものです。特に携帯は切れやすい。切れるのは仕方がないというところにたって、切れたという事実をどう知って、どうフォローするか、どこまで自動で処理するのかということでしょう。

エラーメッセージとはそもそも技術的な理由で問題が起こったときのいいわけに過ぎません。本当なら「セッション変数aに、値が入っていませんでした」としか表示できないところ、無理やりユーザー向けの当たり障りのないメッセージにしているだけなのです。
「ただいまたいへん混みあっています」は、一般的によく使われる手です。実際はもっと深刻なことが起きています。アクセスが集中すると設計者の未熟さが光りだすからです。混みあっているからなんですか。
「無理です。もうこれ以上処理できません。勘弁してください。」
だったら許せますかね。

非常に煮えきれないまま寝ました。

翌朝10時。パソコンの前にいました。このサイト、どこにも問合せ先の電話番号がありません。強気です。無事売り切れたのかと思ってサイトを開くと、なんとリニューアル中です。たまたまそういう日のそういう時間だったようです。ページがあちこちnot foundになったり、画像がなくなったり、なんてまずいリニューアルのやり方だ、と思いながら、しばらくリロードしていました。

10時10分。例のページに、なんと空席が半分もあるという表示がでました。サーバーの再起動でもしたのですかね。
この馬鹿システムを設計した人には頭にきていますが、映画は見たいのです。急いで購入手続きをします。サーバーはまるで混雑していません。チャンスです。
鬼門となっていたカード情報の送信ページも、一瞬で応答が返ってきて無事購入完了の文字。購入番号も表示され、メールも届き、どうやら座席の購入に成功した模様です。
メール末尾に問合せ先の電話番号が書いてありました。購入に成功した人だけ問い合わせることが許される。これじゃ意味がないです、先生。

セッションが切れたやつも全部買えていたらなんと27,000円です。果たしてどうなるでしょうか。

11時40分。電話しました。なんと3枚とも購入が完了しているとのこと。それはそれである意味凄いシステムですが。
最初に電話に出た人は次のように述べられた。
「キャンセルは承っておりません」
ああそうですかと言うわけもなく、電話口にマネージャー登場。
「現在、この映画館のご購入はできませんって画面に表示されたら、また購入するでしょう普通」なんてことを言って、一番いい席残してキャンセル完了。

一度は諦めたものの、紆余曲折ありましてこうして7月3日、無事「修行」の日を迎えることができそうです。

最初に出た丸い双葉は枯れ始めた。これからは次の葉の時代だ。

sunflower0628.jpg

森のようになってきた。先端の葉が、コスモスっぽい。
彼らは水をやるときにその勢いに倒れてへたる。
へたりつつも、翌朝は太陽のほうに向かって先端が立ち上がる。
それで茎がまっすぐのびないのだ。
そこで、本来は適当な皿を買ってきて、下から水を吸い上げる方式に変更した。
これでこの森はしばらくは安泰だろう。

cosmos0628.jpg

こんなの見に行く馬鹿いるんだろうなー、とか思いながら、
誰かいっしょにどうですか。明日の0時チケット発売開始です。

六本木のこの映画館は、こういう企画が好きみたいですね。
他にも、
・スパイキッズ3作
・ロード・オブ・ザ・リング3作
・ザ・リング/ザ・リング2/THE JUON
なんかが予定されています。あほです。

あほです、と書きましたが、そんな長い時間映画見たことないし、
そもそもスターウォーズ好きだし、
ロサンゼルスでスターウォーズ見たときみたいに、
「Lucas Film」と出た瞬間に場内に拍手があるのか、
あるいはチャンバラ映画を一生分見たーという感覚に陥るか、
など気になるのでチケット購入を試みるつもりです。
でも前のほうの席だったらやめます。首がおかしくなりそう。

他にも、どういう人が来るのかちょっと分からない企画がありました。

・大菩薩峠/大菩薩峠 竜神の巻/大菩薩峠 完結編
・インファナル・アフェア3作
・ブリジット・ジョーンズの日記
/ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月
・トゥームレイダー/トゥームレイダー2

大菩薩峠連続上映は興味あります。
いずれにしてもスターウォーズ6作連続上映に比べればかわいいもんですな。

マイルを使って無料航空券で福岡に向かう。
かつてこの路線の飛行機に毎週2回乗っていたことを思い出す。あれはあれで楽しかった。

夕方、ふっこさんとゆっこちゃんと天神の西のほうでお茶する。この2人となぜ会うようになったか、起源がまったく思い出せないし、会うのもまだ4回目くらいな感じがするが、僕も含め3人とも旅行好きだし、2人は僕よりあちこちに行っているので、旅行の話をしだすと楽しくて止まらない感じだ。
そうだ、高野山の話を聞きたかったのだ。すっかり忘れていた。
それにしてもこの2人と会うと、妙に落ち着くのはなぜだろうか。
また来年、とか言って別れた。

夜は伊藤夫妻と、新谷君と、中村君で食事。伊藤君が結婚したという事実は、前回伊藤夫妻と会ってからもいまひとつ飲み込めなかったのだが、今回せがれ殿を見て初めて実感できた。御歳7ヶ月のせがれ殿には「はじめまして、shと申します。」と硬めのあいさつをしてみた。

fuk1.jpg
せがれ殿と父

中村君とは帰国後すぐに会って恵比寿で飲んでいたので、まぁその続きという感じもした。しかしまた旅行の話になった。
ドリームキャストの時代のなつかしい話も出て、伊藤君と新谷君の「マスター」または「ステージ職人」としての地位の復活につとめたいとか、またもやそういうくだらない話をしているうちに、終電の時間となった。

翌日。夕方、松本サルト氏と、げこげこ大王七世氏にあった。それにしても2人とも変な名前だ。当然、地元の某新聞社の様子などが話題の中心になった。
大王様はこのごろ「かえる新聞」なる本を出版されており、すぐに近くの書店で購入した。

fuk2.jpg
げこげこ大王七世からサインを賜る

夜は生放送を終えたばかりのトギーさんと焼酎やそばなど。なんて大人な飲み方だ。当然、某FM局の様子が話題の中心になる。今後のトギーさんの展開などについて閉店まで話をした。

fuk3.jpg
収拾がつかないくらいに増えた駅

知らない間に地下鉄3号線が開通していたり、見覚えのないところに都市高速が走っていたり、福岡はめちゃくちゃ変わっていた。
母親の家に行ったり、父親の家に行ったりした。両親が離婚したのはもう昔の話だが、帰省の度に2箇所に行くのは結構大変だ。
クラシックギターの恩師に会った。もうお迎えが来ると、毎年行く度に聞かされているが、元気そうでなによりだった。介護保険の話があって、その後はやはり戦時中の話になった。毎年同じ話を聞いてますなんてとても言えない。

とても2泊3日とは思えない予定の詰め方をしてしまった。次はもうちょっと時間をとって出かけ、さらに多くの人とお会いしたいと思う。

起きたらものすごい成長を遂げていた。昨日は、おお芽が出てきたと思っていただけが、今日見たら双葉が開いているのだ。
一体何なんだ、この勢いは。一夜にして、一体どこからその葉や茎の物質は生まれてくるのか。来週には花が咲くのではないかと思うくらいの勢いだ。

cosmos0610jpg.jpg

ベビーチョコ状の培養土と見分けがつかないので、うっかり見逃すところだった。なんと力強いことか。

sunflower0609.jpg

この家に決めた理由の1つに、12m2のバルコニーがある。南向きでほぼ正方形のバルコニーでは、今の季節は先端部分にしか日が当たらない。
まだ梅雨入り前だけど、夏と秋をバルコニーに準備することにしたのだ。つまりそれは、ひまわりとコスモスだ。
ジフィーストリップを買ってきて、培養土を入れ、種をまく。この玉子パックのような容器は、ピートモス(泥炭化した苔)で出来ているので、育ってきたら丸ごと鉢に植えることができるらしい。自然に帰る容器なんて素晴らしい。
水をやりながら待つこと数日。なんと芽が出てきた。

cosmos0609jpg.jpg

搭乗開始時刻の少し前にゲートに行くと、日本人だらけだった。日本に向かうのだから当然なのに、なぜか残念な気持ちになる。搭乗はファーストクラスとビジネスクラスの乗客からだ。エコノミークラス乗客からの、あいつらなんだよという視線がぐさぐさ刺さる。
飛行機に乗り込むと、1人ずつ席まで案内された。シェルタイプのシートだ。

資料:ANA New First Class Seat

倒すとベッドになる座席。長さは十分だ。もう少し幅があればシングルベッドサイズになるかもしれない。その座席を窓の高さくらいの壁が包み込んでいる。しかも今回の座席1Aは飛行機の先頭部分なので、前の席は存在しない。もちろん隣にくっついている座席もない。トイレは後ろにあるので、誰も横を通らない。これは席というより部屋だ。まわりの視線がほとんど気にならない。いいですな!1A!

world0601a.jpg
ほとんど個室のシート

席のはるか前に大きなテーブルと15インチのテレビ。その下からはダイニングテーブルも引き出せる。窓側にはカクテルテーブルがあり飲み物を置ける。側面にはパソコン用の電源もあるし、飛行機の騒音を打ち消してしまう特殊なヘッドフォンも装備されている。方向を自在に変えることができる読書灯、暗いときに足元を照らすフットライトもある。まるでホテルの部屋のような設備だ。

world0601b.jpg
ノイズキャンセラー機能付きヘッドフォン

反対の窓側の席には、どこかの会社の会長といった感じのお年を召した方が、お付きの人とともに搭乗してきた。お付きの人は会長氏(仮)のかばんを置くと、ビジネスクラスに移っていった。

フランクフルト空港を離陸後、ワインリストを見ながら、やっぱりスパークリングワインからはじめることにした。行きの飛行機でキャビアのうまさが分からなかった僕は、フォアグラも別にいいやと思って、和の前菜をとることにした。
一方、会長氏は、前菜をほんのちょっと食べ、白ワインを一杯飲んだところで早々と寝てしまった。まだ1時間も経っていないのに。

途中トイレに立つと、3Aの女性はどうやら作家らしく、着陸までずっと原稿用紙に向かっていた。僕には誰かわからなかったが、ファーストクラスで移動するとは、相当売れている作家に違いない。

メインの食事にも和食を選んだ。芋焼酎を頼む。機内で芋焼酎が飲めるなんて、搭載していない飲み物はないというほど充実している。

world0601c.jpg
ソーセージもポテトもない食事

ゆっくりと食事を取り、映画も1本見てくつろいだ。やがて機内が暗くなり、作家以外が全員就寝。僕も寝ようとすると、キャビンアテンダントさんが「ベッドメイクいたします」と。なにー。
椅子が倒され、そこにシーツが敷かれる。羽毛の枕に、シルクで包まれた羽毛ぶとん。機内の温度はすでに低めだ。これで寝ないわけがない。

world0601d.jpg
電動シート全機能

完全に足を伸ばして横になって移動するというのは、僕の体験が少ないせいか、非常に不自然なことに思えてくる。
一方、座りながら移動するというのは、自動車がそうだし、小さい頃から体験し続けているせいか、自然なことのように思えてくる。
これまで絶対にフルフラットで眠れなかった僕が、あまりの心地よさに本当に寝てしまいそうになる。しかしそれも束の間、後ろの2Aの人のいびきが凄くて寝れなくなる。ああ。僕はこういう星のもとに生まれてきたのか。

到着の時刻が近づき、朝食を取る。パン、フルーツ、ヨーグルトにジュース。食後にエスプレッソを頼んだ。
会長氏はお粥とお茶。それで十分なのだ。僕のように、せっかくだからあれもこれもという人は、このクラスにはいない。

成田空港に着陸。到着ロビーまではバスで案内される。この時、真っ先にファーストクラスの乗客だけが最初のバスに乗せられた。真っ先にターミナルに到着。入国審査も混んでないし、着陸からわずか20分後には、回転台で荷物を待つことになっていた。

しかし、最初に出てくるのは、VIPのタグがつけられた荷物。VIPは、ANAの係員がつきっきりでお世話をしている。会長氏はお付きの人とANA係員とともに早々に去っていった。

成田エクスプレスで東京へ。長い1日は続く。東京駅からよほどタクシーに乗ろうかと思ったが、振り返るとこの旅行では一度もタクシーに乗っていない。電車とバスを利用する暗黙のルールができていたのだ。
都バスに乗って家に帰る。さっきまでファーストクラスに乗っていたことなんてすぐ忘れる。

world0601e.jpg
ニュルンベルグで買ってきた木のおもちゃ

たった2ヶ国だが、15日間世界一周をした。無料航空券を使ってファーストクラスで移動するために旅行したといっても過言ではない。
競争の激化、経営合理化でファーストクラスを廃止する航空会社もある中、この時代の最高のファーストクラスで世界一周をしたと思う。そこは想像以上に贅を尽くした空間だった。

ANAでは、最上位と思われたファーストクラスでも、VIPと非VIPは明確に区別されていた。常連を優遇するのは当然のことだが、それをあからさまに見せつけられたような気がして、なぜか悲しい。上を見る悲しさを知った。

そしてこのクラスでは、サービスを断ることが普通だ。メニューに載ってないものを頼んだりする人もいる。
これには2通りの見方がある。
1つは、みんな見栄っ張りで、断ることで「乗りなれているのだぞ」と、お互いにけん制しあっているという見方。こう捉えると、くつろぎの空間のはずが、なぜかピリピリ緊張が張りつめているように感じられる。
もう1つは、飽きるほど乗っている人ばかりという見方。彼らにとって飛行機は、もう通勤電車のようになっていて、行き着くところは出来る限りの睡眠なのかもしれない。

いずれにせよ彼らは往復163万円という航空券を購入しながら、そこに用意されているサービスのほとんどをあえて受けずにいる。好奇心旺盛でかつ見栄が張れない子供には、信じられない光景だ。
僕は用意されているサービスのあれもこれも気になって仕方がない。せいいっぱい背伸びをしたところで、なんとも落ち着かない空間だ。
人には身分相応の享受すべきサービスがあるということなのだろうか。

しかしそうはいっても、ファーストクラスはエコノミークラスが思い出せないくらい美味しいもの、素晴らしいサービスが受けられるところだ。
もしなんらかの偶然でファーストクラスに乗ることになったら、まわりの雰囲気に惑わされてはいけない。他人がどうあれ、自分は自分の好きなようにすると決めて利用すれば、きっと楽しい旅になるに違いない。

(ファーストクラスで世界一周 おわり)

[ad]