覆面の勇者

ファイナル・ファンタジーの新作をやっている人も多いと思いますが、うちの会社のスタッフの一人は、30時間のプレイデータを消してしまったといって泣いていました。

そんな中、僕はファミコン版のドラクエ3の奥深さに驚きました。

最後の敵、ゾーマの前に、主人公の父オルテガがキングヒドラと戦うシーンがあります。
オルテガはその昔、ネクロゴンドの火山で魔物と戦って相打ちとなり、その火口に落ちたとされていたけれど、実は生きていて、ゾーマを倒すべくはるばる向かってきたのでした。
そんな勇者でもある父の姿は、なぜかパンツ一丁で覆面姿。ガキの僕にはショックな出来事でした。

キングヒドラの最大HPは550ですが、1ターンごとにHPが100近く回復するので、いくら勇者オルテガといえども絶対に勝てません。それなのに彼は、効かないラリホーを唱え、キングヒドラの2回攻撃を受けてしまいます。
父の無謀な戦いを見ているだけの息子。ゾーマと戦うくらいの力を持っているのにですよ。見てないで助けろよ、と当時僕は叫んだはずです。泣けてきます。
オルテガは、回復魔法ベホマも使えますが、キングヒドラの圧倒的な強さの前に、やがて力尽きます。ゾーマを目前にしてキングヒドラに敗れる我が父を見る、という悲しい展開です。普通なら。

しかし、ファミコンのカセットのコードを解析したある人が、オルテガが勝つ場合のセリフが用意されていることを発見しました。

*「かつには かったが
  どうやら さいごの ちからを
  つかいはたしたらしい・・・・・・。

びっくりしました。オルテガが勝つ場合に、プログラムは備えていたわけです。
しかし、父の死を見てからしか前に進めないという現実は変わりません。

当初はキングヒドラの仕様が違っていて、オルテガがキングヒドラを倒してしまう場合が本当にあったのかもしれません。あるいは今でも、1兆回やると1回くらい勝ってしまう場合があるというのでしょうか。
真相はわかりませんが、大人になった僕をここまで楽しませてくれるとは、粋です。

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コメント(1)

ドラクエはやったことないけれど、
この話を聞いて、なんか急にやってみたくなりました!

備え、すばらしいですね。ちょと感動しましたよ。
そして解析しようと思ったshさんもすばらしい(苦笑)

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