day9. ルフトハンザの大西洋

寒いし、朝のうちは宿でゆっくり過ごした。
海老は元気だ。海老を連れてドイツに行こう。

ニューヨーク地下鉄の改札は、カードを通すタイプだ。クレジットカードを機械に通す感じ。速すぎてはエラーになって通してもらえない。適切なスピードでカードを通すと、GOと表示が出て、回転バーを押して入る。結構アナログだ。この地下鉄に慣れた人が、Suikaを見たらびびるだろう。東京メトロもがんばらないと。

地下鉄A線は、快速運転だ。車掌は発車すると、やれやれといった感じで乗客のいる座席に座りにやってくる。駅につくと、やれやれといった感じでドアを開けにいく。これは仕事で、これが人生のすべてじゃないんだよね、と言いたげな感じだ。

ニューヨークJFK空港の、ルフトハンザのターミナルに行く。まだ日本に帰らないのだということを実感する。ルフトハンザのファーストクラスカウンターへ。笑顔がすばらしい。英語も聞き取りやすい。ドイツ人のしゃべる英語はわかりやすいのだと思う。

ラウンジに行くと、カーテンの奥に、暗い感じの、ファーストクラス乗客専用の部屋があったが、外の飛行機が見たかったので、普通のラウンジの席に座って搭乗時刻を待つ。窓の外には出発準備中のエールフランス機。ああヨーロッパに行くのだなと思った。

ファーストクラスの乗客から搭乗開始。座席の配列は1-2-1で、つまり両側の窓の席は独立したシートになっていて、隣がいない。

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各席にバラの花が

前には低い壁があって、まわりの乗客が何をしてもほとんど気にならない。白と紺を基調にしたインテリアは、黄色がアクセントになっている。
渡されたおしぼりにかすかに匂いがついている。細かい。
水を飲みながら、メニューを見る。乗務員があいさつに来る。非常に丁寧なあいさつだ。ユナイテッドの時の威圧的な感じが少しもない。
英語を母国語とする人と、そうでない人の差とはいいきれない何かがある。

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独立シートはすばらしく心地よい

夕食だ。テーブルクロスが敷かれ、飲み物はスパークリングワインを頼み、前菜は5種類から3つ選んでみた。日本そばがサラダ仕立てになっていてびびる。うまかった。ああこれがヨーロッパか。繊細だ。
もう、エコノミークラスの1枚のトレイに全部乗った機内食が思い出せなくなりそうだ。やばい。
メインは4種から選択。毎月29日にニクを食う「29の会」の隊長として、当然ニクを選んだ。牛だ。

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最高にうまかったニク

直方体のサーロインに、すばらしいソース。紫キャベツの付け合せ。火の通り具合が絶妙で、とても機内食とは思えない。機内で熱を加えることまで計算しているのだろうか。とにかくあまりに素晴らしい料理だったので、赤ワインを頼み、ゆったりとした時間を楽しむ。
食後にはケーキとコーヒー。チョコレートを2粒。食いすぎだ。このチョコレートがまたいかにも高そうな箱に入っているのだ。

フルフラットシートの感じは、現在第1位だ。スリッパは足をつつみこむタイプのもの。
見た目はいまいちだが、履き心地はなかなかいい。
左側に小さな収納があり、右側に本が入れられるくらいの収納。右後方に水のペットボトル入れ。使いやすいデザインだ。寝るのがもったいない。

朝食をどうするか、寝る前に聞かれる。現地到着は朝の5:40なので、なにか腹に入れておく必要があるのだろう。軽めでお願いしたいと言うと、フルーツ中心のダイエットメニューというのをすすめてくれた。まぁ、名前はあれですが、それでお願いしたいと。

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地平線と思われる線より下に落ちていく夕日

実は、最初の予約の時点では、この直行便には空席がなかった。仕方なくユナイテッドのロンドン行きと、ロンドンからフランクフルトのルフトハンザ便を乗り継ぐように予約しておいたのだ。何日かごとに嫌がらせのようにANAの特典予約デスクに電話をかけていたら、ある日この直行便に空席がでていたのだ。あわてて押さえてもらった。

あきらめずにルフトハンザのファーストクラスにしておいてよかった。そう思いながら、大西洋の夕暮れを眺めつつ、沢木耕太郎を読みながら、うとうとしていくのだった。

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