day6. アメリカ横断

5時半に起きる。今日はロサンゼルスからニューヨークへの移動日だ。
6時過ぎに出発しようとするが、ホテルのフロントには誰もいない。仕方ないので鍵を袋に入れて置いておく。Sorry, I have to leave now.とかメモを残して。
今日もまた空港へ向かう。ここのところ毎日同じ道を移動しているので、すっかり慣れた。rental carsのサインに沿ってしばらく行くと、car returnというところにたどり着いた。誘導に従って駐車場のようなところを走り、鍵をつけたまま車を降りて終わり。サインもなにもなしで簡単だ。
送迎バスに乗る。乗るときに受ける質問は「airline?」。ものすごく短い疑問文だ。何だっけとちょっと考える。「United domestic」とか答えて乗る。バス運転手はこれまた陽気なおじさんで、んじゃまずターミナル1に止まるよ、とか言っていた。それを聞いて勘違いした日本人のおじさんが「コリアン、コリアン」とか必死に言っていた。おそらく「まずはじめに」というところが聞き取れなかったのだろう。

ターミナル6で降りて、ユナイテッドのファーストクラスカウンターへ。国内線なのに、なぜか国際線カウンターでチェックイン。エコノミーは凄い行列だったが、ファーストは当然誰もいない。チケットは金色のケース。

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ファーストクラス=金色という考え方

手荷物検査も、エコノミーは長い列になっていたが、ビジネス以上は別の列。待ち時間なしで受けられる。上着を脱ぎ、時計をはずし、靴も脱いで、検査を受ける。ラウンジに入るも、朝ということもあってか、かなり混雑していた。

搭乗も最優先。2Aに座る。座席は革張りで電動シート。大陸横断プレミアムサービスといっても、まぁ普通に小さい飛行機に詰め込まれている印象だ。オレンジジュースを飲みながら離陸を待つ。ロサンゼルスからニューヨーク、4000kmの移動だ。離陸すると、土色の乾いた感じの風景が広がる。

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中西部、幾何学模様の畑。このあたりかな。

メニューを渡されるがほとんど選択の余地はない。朝食は玉子、ポテト、アスパラガス、クロワッサン、フルーツ。うまい。今朝は睡眠不足だったので、途中気を失いそうになる。5時間半の飛行で、8時間半先の世界へ移動する。ここで寝てはいけない。
沢木耕太郎の深夜特急第2巻を読み終える。旅をしながら旅の本を読むのは実に楽しい。
到着前の軽食はチーズ+フルーツ。チーズがうまい。この飛行機ではちゃんとしたスターバックス・コーヒーも飲めるということだったが、コーヒーという気分でなく、紅茶を頼んだ。
途中海のようなところを通ったが、あれはひょっとすると五大湖だったか。

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大陸横断プレミアムサービスの軽食

枕をひざに置いていたら、また寝そうになった。
ファーストクラスには2人の乗務員がいた。1人は「おまえ英語も聞き取れんのか」という態度、もう1人は「ああ早く言いすぎたかしら」という態度。結局サービスは人なのだ。
アメリカで食事のサービスを受けるとよく「enjoy」と言われるが、この始めの「en」がほとんど聞こえない。「ジョイ」としか聞こえないのだ。楽しめというかまぁ、ごゆっくり、と言った意味か。
着陸。この昼間の5時間半の移動なら、わざわざファーストクラスを選ぶ理由はないと思った。

荷物を受け取り、空港内を移動する鉄道を目指すと、白タク運転手が声をかけながら近づいてくる。「どこへ行くんだ、どこへ。おいちょっと待て。どこに行くのか教えろ。」という感じで。エレベータに乗るまでずっとついてくる。
とにかく自分は鉄道に乗るのだと明確な意思をもって進み、無視するに限る。
特にアジア系の人を狙っているようだ。かわいそうに、日本人の女の子たちがひっかかっていた。ふっかけられないといいが。乗るなら黄色いタクシーに乗らなきゃ。でもそれも人生だ。何事も経験だ。

地下鉄ではメトロカードを買って、20$ほど充填した。自動販売機には日本語の表示もあって分かりやすい。ニューヨークは縦長なので、地下鉄の行き先も、クイーンズ方面か、ブルックリン方面ということになる。
Howard Beach駅からA線に乗って、Nostrand AvenueでC線に乗り換え。約1時間で、ブルックリンのB&Bに到着した。B&Bとは、Bed and Breakfastという意味で、朝食つき民宿といった感じのものだ。余った部屋を貸しているという感じのところが多い。トイレ、風呂は共同が基本だが、とにかく安い。朝食の心配をしなくてよいのも旅行ではありがたい。

もうすっかり夕方なので困惑する。今日の数時間が失われたような印象だ。やはり東回りの地球一周は辛いか。
ちゃんとはやく眠れるように、宿の周辺を倒れそうになるまで歩く。
危険な街で夜は歩けないのではないかと思っていたが、まったくそんな雰囲気はない。とても安全な街だ。想像とは全く違う。これがジュリアーニ元市長の功績なのか。

オーストリア料理の店に入り、ディナーコース17$。オーストリアビールに、トマトスープとミートローフ、デザート。うまい。店員の兄ちゃんがいい人だった。

宿は床がきしみ、とても狭い部屋だったが、寝るにはなんの不自由もない部屋だった。

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