day5. 圧倒的創造力

最後のフィゲロア。こうなってくると、フィゲロア以外の朝食が考えられない。ヨシオカ氏はソーセージうますぎとか言って、おかわりしていた。気づいていないだろうけど、彼は朝食にお金をかけすぎたと思う。でも、彼の目は、金じゃないんだと言っていた。

2人の飛行機は遅かったので、朝食後はゆっくりとした時間が流れた。デジカメのスポット測光についてちょっと講義する。

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薄暗いフィゲロアホテル

フィゲロアを出発。昨日の教訓から、カープールを使って一気に空港へ。道路の閉鎖もなく、あっという間についた。しかし、空港はものすごい混雑で、2人がチェックインを終えるころには、預け荷物の検査の順番待ちの人が空港の外まで列を作っていた。

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フリーウェイ。左側2車線がカープール、右が普通車線

空港には3時間前までに着くようにしましょうというのはなんとおおげさなと思っていたが、そんなことはない。慣れない国、慣れない空港では、どこで何があるか分からないのだ。

フジワラ氏は昨日ターゲットで購入したトランクケースが気に入った模様。アメリカン航空のカウンターで見送る。ヨシオカ氏はANA便で帰国。彼は帰国したあとすぐ伊丹、京都への移動があるから大変だ。

さて、いよいよここからが1人旅だ。多人数で気が緩みつつあったのを引き締める。今日はレゴランドに行こうと決めていた。
ターミナルの1階、到着ロビーでレゴランドの場所を聞く。とても親切に教えてくれた。しかし、ゆっくりしゃべってくれても、レゴランドのあるCarlsbadという地名は聞き取りが難しかった。
もらった地図を頼りに、フリーウェイを405で南下し、5-southに入る。アメリカの運転のコツは、とにかく車線変更の正確さだ。サインをよく見て、早めに車線をあわせる。間違ったら、次の出口で降りて、反対行きに乗ればよい。

フリーウェイはnorth, south, east, westのどれかで方向が識別されていて、慣れると分かりやすいものだ。ところで、日本では道路や鉄道の方向は「上り」「下り」という。この考え方はどうやって生まれたのだろう。

最初に京都に行ったときに、京都駅から北を見て、左側に右京区があることに戸惑った。つまりそれは天皇から見て、朱雀大路の右側が右京区という考え方なのだった。
ひなまつりに登場する左大臣は僕らから見ると右側に置かれるのも同じ。天皇から見て左側は、日が昇る東の方角ということで、より位の高い場所とされたようだ。
ちなみに「左遷」という言葉の意味は、臣下から見て、右から左、つまり左大臣から右大臣に「降格」することだそうだ。なんと。

天皇が中心だから、江戸に下る、京に上ると表現するわけだが、明治維新以後は東京が中心となり、今は、各都市の中心などに向かう方向が上りとされていて、実にあいまいだ。
絶対的な方向を使用しているアメリカはどこまでも合理的だ。しかし相対的な方向を使用し続けている日本には、計り知れない味がある。これが歴史の差というものなのかどうかは分からない。
だいぶん話がそれた。

5-southで海岸を75マイルで走る。パトカーが頻繁に走っているので、スピードに気をつけなくてはならない。途中、霧が濃いエリアを通過。身をかがめつつ走る親子連れの絵が描かれた黄色の注意標識があった。密入国者がここを横断するということか?
Carlsbadで降りるが、レゴランドの何の案内看板も見つけられなかった。日本の高速のように、降りたらすぐ視界を覆うような案内看板があるわけではない。

こういうときはどうするのが一番よいか。ホテルに入って聞くのがいいといえよう。近くにヒルトンがあったので、ロビーにずかずかと入っていって、大変すまないがレゴランドの場所を教えてくれと聞く。すると、道順をプリントアウトしてくれた。それにはこう書いてある。

1 LEGO DRIVE CARLSBAD
DIRECTIONS:
RIGHT ONTO CARLSBAD BLVD
RIGHT UP THE RAMP ONTO PALOMAR AIRPORT RD
LEFT ON ARMADA, IT WILL TAKE YOU LEGOLAND DRIVE

なぜか全部大文字だった。でも、なんて簡潔でわかりやすい表現だろう。
こんな丁寧な対応を受けたのに、閉園の1時間前までには着かなくてはと焦っていたのか、フロントでチップを渡すのを忘れてしまい、実に心残りだ。夢の中でチップを渡すくらいにならないと。

なんとか15時にレゴランドに到着。レゴランドにこんな遅い時間に訪れる人は少ないようだ。

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レゴランド入り口

入り口からしてレゴだ。一歩足を踏み入れると、そこは圧倒的創造物の塊だった。人、動物、建物などありとあらゆるものがレゴで作られている。
子供は水遊びや、ジェットコースターなどに夢中だが、大人はミニチュアの街に目を奪われている。

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レゴで作られた街

アトラクションを見てまわっていると、恐竜の骨発掘遊びのようなものがあった。これをアトラクションとして成立させてしまうこと自体凄いが、これがレゴランドにあるということも面白い。子供のときのこういう体験1つが、どれほど人生を幅を広げることになるか分からない。

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発掘調査遊び

そしてなんといっても圧巻は、実物大のボルボXC90だ。

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実物大レゴ車

201,076個のレゴが使われており、デザインに3人×3週間、組み上げに5人×2ヵ月半かかったという。それをくみ上げている場面を想像しながら、ただ口をあけて見ているだけだった。
園内のショップでは、さすがレゴランドだけあって、全色全パーツを量り売りしていた。思わず全部1個ずつかって帰ろうかと思ったくらいだ。

圧倒されたままレゴランドを後にする。フリーウェイ5-northを戻り、そのまま帰るつもりだったが、途中でなぜかCoast Citiesと書かれている案内に導かれて、海岸沿いの道に下りてしまう。海岸の雰囲気のよい街をいくつか通り過ぎて、ガソリンスタンドへ。前回は大失敗したが、今回は余裕で給油完了。再びフリーウェイに乗って、途中間違ったりしつつも、ホテルまで地図なしで帰った。凄い成長だ。

昨夜のプロスペクトプラザの中華があまりにおいしかったので、今夜は別の店に入ってみることにした。しかし1人なので、あれもこれも食べられないのが辛い。ちょっと辛めの中華麺をすすり、ホテルに戻る。
部屋で洗濯を開始。洗面台をせっけんで洗い、日本から持ってきた個袋洗剤をお湯にとかし、手もみ洗い。ファーストクラスで移動していながら、ホテルの部屋で洗濯している姿を想像してほしい。
すすぎ終わって、干した後、なんとなく明日の飛行機の時間を確認したら、朝8:40の便だった。夕方の便と思い込んでいたので、大変なことになるところだった。5:30には起きなければ。

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