ネクタイ外すか

チームマイナス6%という運動がある。京都議定書の数値目標を達成するために二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を防ぎましょうという運動だ。
でもそれが今の日本ではなぜか、二酸化炭素を減らす=ネクタイを取る、ということになっている。

40億年前、地球の大気のほとんどは二酸化炭素だった。やがて海底の藻が、光合成をして二酸化炭素を酸素に変えはじめる。大気中の酸素が少しずつ増え、その一部がオゾンに変わり、生物にとって有害な太陽からの紫外線をさえぎるようになった。

今読んでいる本の1つに、「もしも月がなかったら」という本がある。
著者、メーン大学のカミンズ教授によれば、地球が誕生したとき、月はなかった。
一方、月の「もと」は、火星ほどの大きさの微惑星。それがある日、乾ききった地球に、時速4万キロメートルで激突する。
地球の外層部分の200億立方メートルの物質がまき散らされ。地球の大気のほとんどを占めていた二酸化炭素の一部も、永遠に失われた。いや我ら生物の立場からすれば、「持っていってくれた」が正しい。

まき散らされたものはやがて互いに引き寄せられて、月ができた。月の強力な引力はさらに地球の・・・、と本は続く。

この本を読んでいると、今の地球が、月が、太陽が、その位置にその大きさであることは、まさに奇跡的な確率としかいいようがなくなる。しかも、それがちょっと近すぎたり、大きすぎるだけで生命は存在していないのだ。

まぁ、50億年後には膨張した太陽に飲み込まれて地球も終わるわけだが、何十億年もかけてできた大気が、人間の活動によってわずか数百年のうちに激変しようとしているのは悲しい。
二酸化炭素が増え地球が冷えなくなる。オゾンが破壊され、紫外線が地上に降ってくるようになる。

日本は6%減らしましょうということになっている。しかし、この6%というのは、1990年に対する比率。1990年から2005年の間に、排出量はさらに増えているわけで、6%どころか14%も減らさないといけないのだ。

ネクタイを外して喜んでいる場合じゃないよ。

追記:
うちには、ドアホンのパネルに消費電力モニターがあります。こういう非常にちょっとした指標があると行動しやすいのだと思います。

0716leaf.jpg

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ネクタイ外すか

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.spacelogue.com/mt/mt-tb.cgi/30

コメント(1)

京都議定書がらみでは、以下のあたりが私としてはおすすめです。個人レベルでの考え方が参考になると私は思っています。(同じページからの引用です)
 http://www.yasuienv.net/CO2RedNow.htm
 http://www.yasuienv.net/ReduceCO2Personal.htm

特に前者の記事の最後の方に出てくる「情報を提供する家電」あたり・・・なんとかできんものかと考え中。

コメントする

[ad]