死に方について

mixiに「たけしの挑戦状」というコミュニティがある。
そこの最新のトピックが、「死に方について」。秀逸なタイトルだ。
このファミコンゲームはとにかく主人公が死にやすい。それも理不尽なことで死ぬ。警官に撃たれる、カラオケで歌ってやくざに殴られる、船が島に激突、旅客機が空中爆発などなど。

クリアを目指すためにやることも理不尽だ。宝の地図をくれた老人を殴り殺さなきゃいけないとか、酔った勢いで奥さんと離婚しなきゃいけないとか、コントローラーに触らず1時間待たなくちゃいけないとか、とにかく理解不能なゲームだ。
攻略本を出版した会社には、「子供が解けなくて泣いている」と電話をかけてくる母親もいたとか。

当時、有名人を使ったゲームを作ることは流行りだった。そのへんのゲームデザイナーが適当なアクションゲームとかを企画して、それに有名人をはめこむくらいの適当な感じがあった。
しかし、このゲームは違った。有名人ゲームなのに本人がゲーム中に登場しない。「挑戦状」なのだ。ビートたけしがアイデアをいいまくり、それがまとめられて、ゲームになったという。素晴らしく作家性の強い制作スタイルだ。

完全な企画があるところに、ゲームデザイナーがきて、ゲームを作る。
そうじゃなくて、誰かわからないけど、たとえば僕が、訳わからないことをみんなに言っているうちに世界観が共有できて、それをみんなで作るというスタイルにあこがれる。職業ゲームデザイナーとしてはダメすぎるスタンスだが。

今そういうことが出来そうな兆しがちょっとだけあるので楽しい。
みんな仕事は仕事としてちゃんとやってて、ちょっと会社の帰りに、あるいは休日にふらっと出かけてくる部室のようなところがあれば、またゲームが作れるんじゃないかと。

しかし、尻から血を出しながら任天堂に企画を持っていく西さんを見ていると、僕は現実から逃げているだけのようにも思えてくる。

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コメント(1)

今はなき、私のいた会社では、知る人ぞ知る
とある漫画家原案のRPGを作りました。

大赤字でしたが、隠れファンが多かったらしく、
ゲーム雑誌の取材や、取引先の人に話すと
「あれ、おたくで作ったんですか!」と妙に喜ばれましたw

SFの時代で、当時は私はもちろんいませんでしたが
担当がその先生の家に行っては、丸1日「うーん」と
唸ってる先生の隣で一緒に腕を組んで唸り、
結局何も進まぬまま帰る、なんてのの繰り返しだったり、
やっとこさ制作が進んでるところに
全部ひっくり返すような
案を出されて泣いたりしたそうですw

そんな思い出話をする上司は、なかなか楽しそうでした。


「たけしの挑戦状」は、確かカラオケシーンで
皆が存在すら忘れているあのマイクに向かって叫ばないと
ダメなんですよねw
あれは間違いなく名作ですよね。


任天堂ともよく仕事しましたが、
猛烈な殿様商売ですね。
京都の本社に行くのを「任天参り」なんて言ってました。
「花札屋が!」なんて毒づいたのは
うちの会社だけではないはずですw

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